漢方煎剤とエキス製剤の比較
目的
①いくつかの処方の調剤を行って,漢方処方の理解を深める
②処方を構成する生薬の性状を調べ,五感で鑑別する
生薬では五感で鑑定することを学んできました。ここでは、生薬を調製して作製する漢方について、漢方湯剤と漢方エキス製剤を、性状(色,味,におい,形状)で比較します。
それだけでなく有効性・安全性・品質・利便性の観点からも考えてみましょう。
・医薬品と製剤について
医薬品は効能効果を明示し、これには化学的な根拠があります。法律に従い、審査にに合格して初めて世に出ます。「薬機法」(昔は薬事法)
薬剤は医薬品に形を与えたものです。錠剤や粉薬、液体や軟膏、注射剤などです。これらは効果を高める、あるいは安全性を高める等の目的を持って、その剤形が選ばれています。つまり、薬剤は有効性(Efficacy),安全性(Safety),品質(Quality),利便性(Conviniency)を向上させるために、それぞれの剤形が選択されてます。

・レポートについて
4処方すべてについて
1) 生薬の性状(確認のみ)
2) 煎剤とエキス製剤の性状・比較(レポート)
散剤・丸剤の性状の確認
*レポートに性状.気づいた点をコメント
・実習手順: 湯剤
① 各班で、所定の処方1種を調剤する。
② 表より処方の構成生薬と量を確認する。カッコン4g(±10%)など。
③ 生薬をプレートに量りとる。
④ 生薬の種類と量を再確認する。


※参考
右の写真は、日数を分けて作るときは
それぞれの生薬ごとに分けて舟にいれておきます。

⑥ 不織布袋に入れる。
⑦ 不織布の口を熱着する。
⑧ 不織布袋ごと煎じる。


※1日分を煎じる
水を500mL、目盛り「強」で40分
試飲して、確認してみましょう


エキス製剤は、湯剤を濃縮/スプレードライ等で乾燥し作られている。色々な会社が漢方製剤を売り出しているが、その生薬量や配合比率、製法が異なるため、性状や成分が異なっている。



顆粒剤
細粒剤
こうした違いも体験して見ましょう